北朝鮮問題を解決するのはノルウェーなのか?
そもそもは学者など外部から政府に交渉が持ちかけられたりするなかで、交渉に乗り出すようになり、オスロ合意など実績を積んでからは各地から声がかかるようになったという。そしてその交渉術は「ノルウェーモデル」と呼ばれるようになっている。
その特徴は、長い目で密接に関係を作り、自らの利害を排除し、重要人物とNGOなどを結びつけることだと言われるが、実際には交渉に際しての柔軟性こそがノルウェーモデルだという声もある。またアメリカなどのような大国ではないので、紛争当事者たちも安心して交渉に望めると分析する専門家もいる。
ちなみにノルウェーはノーベル平和賞も担っている。基本的にノーベル賞受賞者はスウェーデンのノーベル委員会によって決められるが、平和賞だけはノルウェー・ノーベル委員会が決める。その選考委員会のメンバーは、ノルウェーの議会によって任命されている。そんな平和の使者のような印象の一方で、NATO(北大西洋条約機構)のメンバー国として、内戦状態のリビアなどに軍を派兵し、多くの爆撃を実施している。
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ではそんなノルウェーが北朝鮮の核問題で仲介役となれる可能性はあるのか。実際2006年に、ノルウェー紙で北朝鮮政府が核開発問題で国際社会との仲介を求めたと報じられたことがあった。また現在、北朝鮮のサッカー代表チームの監督は、ドイツなどで活躍した元ノルウェー代表のヨルン・アンデルセンが務めている。
ノルウェーと北朝鮮がなんらかの形で接触を取れるようなことになれば、アメリカとの緊張緩和に向けた交渉の糸口になれるかもしれない。サッカーの代表監督から繋がる可能性もなくはない。
そしてノルウェーが絡んで休戦中の北朝鮮とアメリカが和平合意すれば、金正恩・朝鮮労働党委員長とドナルド・トランプ大統領が仲良くノーベル平和賞を受け取るという「歴史的」な光景が見られる、なんて冗談みたいな話が起きる可能性も否定はできない。
ただ現実にはその可能性は限りなく低いだろう。アメリカや日本だけでなく、中国やロシアなど利害と思惑がからみあう大国がにらみを利かす中での仲介は相当に困難なものだ。北朝鮮が仲介をノルウェーに持ちかけたとされるのは、故金正日総書記の時代のことで、いくらスイス留学経験がある金正恩でもノルウェーに仲介を要請するようなことは考えにくい。
残念ながら、ローマ法王のアイデアは現実的ではないと言わざるを得ない。
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