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ウーバーで発覚した新たな「女性問題」

2017年5月10日(水)10時00分
クリスティーナ・コーテルッチ

働き手への敬意もない

インターネットで企業のカスタマーサービスを呼び出すと、チャット画面にアシュリーとかサンドラという名前の付いたきれいな女性モデルの画像が表示されることがある。その優しげな目元が話したくなる気分を誘っているわけだ(もっともユーザーの側も、そのきれいな「サンドラさん」が本当に答えているとは思っていないが)。

こうした「女性のイメージ」の使われ方に慣れていても、ウーバーの心理操作には嫌悪感が拭えない。それはなぜだろう。

1つには、自称「ローラ」らが、契約運転手のマネジメントを担当していたからだろう。ウーバーの運転手は下請け業者であって社員ではないが、会社のために働いているのは同じだ。メッセージの送信者の本当の身元を知る権利はあるはずだ。

【参考記事】都会の空を「空飛ぶタクシー」でいっぱいにするウーバーの未来構想

会社の管理部門から一斉送信されたメールというわけでもない。特定の個人の社員が、職務として別人を装って送っていたのだ。おかしな話ではないか。

そもそも男尊女卑の社風がなければ、悪質なセクハラ上司はさっさと解雇されたはずだし、女性のふりをした芝居で下請け業者をこき使ったりもしないはずだ。報酬の上乗せもせずに追加の業務を頼もうというあたり、ウーバーは働き手への敬意にも欠けた企業ということになる。

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© 2017, Slate

[2017年4月25日号掲載]

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