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韓国大統領選は文在寅が圧勝 9年ぶりの革新政権誕生

2017年5月10日(水)06時31分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


10日から即執務開始

通常の新大統領は、前任者との引き継ぎ期間を設けられるが、今回はパク前大統領が罷免されて大統領が不在のため、ムン・ジェインは10日正午に国会で中央選挙管理会が当選証を授与して、その瞬間から新大統領となる。新大統領は就任宣誓式を行い、国民向けのメッセージを発表してすぐに執務を行う予定だ。

韓国メディアの毎日経済が伝えるところでは、新大統領は、宣誓式後に大統領府入りし、秘書たちの任名を行う予定だ。さらに米トランプ大統領や中国の習近平国家主席、日本の安倍晋三首相といった海外の首脳と電話会談を行い、懸案の北朝鮮の核問題などについて協力を要請するものとみられている。

北朝鮮政策にも変化の兆し

ムン・ジェインは大統領選の公約として南北対話と協力外交を強調してきた。「大統領になれば、開城工業団地を再起動して、金剛山観光の再開を推進する」と公言していた。だが、それも選挙戦を通じて変わってきたようだ。韓国メディア韓国経済によれば、ムン・ジェインは4月27日に放送記者クラブ主催の候補者請討論会で、「北朝鮮が6回目の核実験を強行すれば、南北間の会話は相当期間不可能になり、次の政府での南北関係の改善は事実上難しくなる」と述べた。

ギム・ヨルス誠信女子大国際政治学科教授は「ムン・ジェインは大統領選挙終盤に行くほど太陽政策を継承するという従来の立場から一歩後退する形を取った。周辺諸国と協力する必要があるため、北朝鮮と無条件対話に乗り出すことは容易ではないと判断したようだ」と分析する。

注目の対日政策は?

一方、日本との関係で問題になっている慰安婦問題については、ムン・ジェインは選挙戦序盤、パク前大統領が日本側と交わした2015年12月の慰安婦合意について「再交渉が必要」という発言をしていたが、これに関して北朝鮮問題と同様に路線変更をするのかどうか、現時点では不明だ。

だが、対北朝鮮問題や、経済関係、とりわけ日韓通貨スワップ協定の再開など、日韓関係の改善が韓国側のメリットになることも多いため、新大統領がどれだけ現実路線に歩み寄るのかという点も注目されるところだ。



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