最新記事

自爆テロ犯

ロシアテロ、寿司バーで働いていた容疑者の被差別人生

2017年4月5日(水)19時20分
リード・スタンディッシュ

ロシア当局は、ジャリロフの単独犯行なのか否かについてまだ調査を行っている最中だが、彼の犯行は、ロシア政府およびより広い範囲に政策的影響を与えることは間違いない。今回の爆発は、中央アジア人によってロシアで遂行された初のテロ事件と見られている。

ロシアでは現在、何十万人もの中央アジア人が暮らしている。職を求めて移住してきた人々だ。彼らの多くは、建設現場など、低賃金で劣悪な条件の労働環境で働いている。キルギスは、所得を他国からの送金に頼る率が非常に高い国の1つであり、2015年には、海外からの送金がGDPの約3分の1にも相当した。

こうした経済状況は、最近のロシアルーブル安のせいで緊張を生み出している。昨年は、キルギスに送金されるお金の価値が約3分の1低下した。

【参考記事】プーチンのロシアでは珍しくない凄惨なテロ<年表>

勧誘はロシアで

ジャリロフがなぜ自爆テロを行ったのかはまだわからないが、出稼ぎ労働や経済的な極限状態が中央アジア人の過激化の大きな原因になっているのは確かだ。研究によれば、シリアで過激派に入った中央アジア出身者の多くは、ロシアで働いているときに戦闘員として勧誘されたり過激思想に染まったりしている。中央アジア全体に共通する厳しい宗教的戒律も、反動としての過激化を生んでいるという。

【参考記事】ISISのグローバル・テロ作戦が始まる

旧ソ連諸国の出身者は、ISIS戦闘員で3番目に多い。1位は中東・北アフリカで、2位は西ヨーロッパだ。

カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンといった中央アジア諸国からの戦闘員は、1200人にのぼる。

(翻訳:ガリレオ)

From Foreign Policy Magazine

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ関税で影響の車両に「輸入手数料」、独VWが

ワールド

米関税「極めて残念」と石破首相、トランプ大統領に働

ワールド

情報BOX:世界が震撼、トランプ大統領が打ち出した

ワールド

米国家安全保障担当チーム、「シグナル」に20のグル
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台になった遺跡で、映画そっくりの「聖杯」が発掘される
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 7
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のため…
  • 8
    博士課程の奨学金受給者の約4割が留学生、問題は日…
  • 9
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 8
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 9
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 10
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中