アサドの化学兵器使用はオバマのせい──トランプ政権
ただ米政権交代後、トランプのシリア政策見直しの公約にもかかわらず、アメリカはシリア政策に本腰を入れていない。米当局者は、「アメリカは現地で積極的に軍事行動を行っているトルコやロシア、イランとは異なり、シリアに対して影響を及ぼす力がさほどない」と言う。シリアの停戦協定を監視しているのはロシアやイランだから、今回の空爆はそれらの国々の責任だとの考えを示した。
【参考記事】独裁者アサドのシリア奪還を助けるロシアとイラン
シリア政府は空爆について「断固として責任を否定する」との声明を発表した(空爆に使用された飛行機は、アサド政権軍のものとみられる)。「今回の空爆に関して、化学・毒物の使用を一切否定する。過去にも化学兵器の使用はなく、将来も使わない」と、強く否定している。
国連本部は今回の空爆に関してまだ声明を発表していないが、英国とフランスは、国連安全保障理事会で緊急の会合を開くよう議長国のアメリカに要請した。
アントニオ・グテレス国連事務総長はステファン・デュジャリック報道官を通して、「非常に動揺している。現時点で国連は空爆について検証する立場にないが、報告書に目を通していく。化学兵器の使用によるシリアでの幾度にも及ぶ人権侵害の問責には、国連も頭を抱えている」と述べた。