最新記事

適正調査

ビジネス・リーダーにより適しているのは女性 約3千人の調査で判明

2017年4月6日(木)16時50分
松丸さとみ

ferrantraite-iStock

ビジネスのリーダーとして、女性の方が男性よりも適していることが、このほど実施された調査で明らかになった。ノルウェーのBIノルウィージャン・ビジネス・スクールが調査を実施し、インディペンデントなどが報じた

5部門中4部門で男性を上回る

BIノルウィージャン・ビジネス・スクールのリーダーシップおよび組織行動学部の学部長であるØyvind L. Martinsen教授が率いたこの調査は、ノルウェー人のビジネス・マネージャー3000人弱を対象に実施。マネージャーの性格や気質を5つのカテゴリーにおいて数値化し評価した。

カテゴリーは、「情緒的安定(仕事関係のプレッシャーやストレスに耐える能力)」、「外向性(イニシアチブを取り、明確に伝達できる能力)」、「新しい経験に対するオープンさ(新しいものを取り入れ、好奇心があり、野心的なビジョンを持つ能力)」、「社交性(スタッフを支援し、世話をし、受け入れる能力)」、「秩序性(ゴールを設定し、徹底して追求する能力)」の5つ。

女性のリーダーは、5つのカテゴリーのうち「外向性」、「オープンさ」、「社交性」、「秩序性」の4つで男性を上回った。しかし、女性の方が心配する傾向が強いため、5つのカテゴリーのうち唯一、「情緒的安定」は男性の方が上回った。

女性不在の現状に警鐘

Martinsen教授は今回の調査結果について、「ビジネスでは常に顧客や依頼人を探し求めたり、生産性や利益を上げたりする必要がある。この調査結果は、新しいものを取り入れる能力や、明瞭さや影響力をもって人を先導する能力において、一般的には女性の方が生来優れているということを示している」と結論づけた。

さらに、「今回の結果は、経営の階層構造そのものや、そこでの役割に女性が不在だという現状について、正当な疑問を投げかけることになる」とした。

研究を共同で行なったLars Glasø教授は、女性の方が心配しがちで情緒面での安定性に欠けるという事実をもってしても、それが男性よりも女性の方が明らかに管理職に適しているという事実を否定するものではなく、意思決定者がこの事実を無視すれば、実際上は適正において劣るリーダーを雇用することになり、生産性を損なう可能性がある、と指摘した。

女性上級管理職は世界で25%、日本は7%

なお、3月に発表された、調査会社のフォーチュン・ナレッジ・グループがカナダ・ロイヤル銀行と共同で行なった、全米上位500社(フォーチュン500)における性別の多様性に関する調査によると、最高経営責任者(CEO)全体の中に女性が占める割合は2016年、4.6%だった。500社のうち女性がトップにいる企業はわずか21社で、前年の24社から減少した。

一方、米会計事務所のグラント・ソントンが行なった調査「ウィメン・イン・ビジネス2017」によると、世界的にみて、上級管理職に女性が占める割合は2017年、25%だった。日本の企業ではさらに低く、わずか7%だった。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

韓国尹大統領に逮捕状発付、現職初 支持者らが裁判所

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 9
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 10
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中