決算発表で株価はどう動くか、決算前のチャートから読み解く
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<投資家としては「決算発表前」に身構えておきたいもの。決算後の値動きについて、決算前のチャートに焦点を当ててどこを見ればいいかを解説する>
「あの株はダメな決算で上がったのに、こっちの株はなんで好決算なのに下がったの?」
上場企業の決算発表に続く一幕でよく耳にするこのセリフに、一定の答えが提示されるのは、ずっと後のことです。なぜなら、上がった理由・下がった理由を、決算報告書やニュース記事から探し出す必要があるからです。
しかし本来ならば、投資家として「決算発表前」に身構えておけるようにしたいと思いませんか?
そのために必要なのは「決算前」のチャートを確認すること。そこにヒントが隠されています。決算に対する期待と決算後の株価の、シーソーゲームのような「隠れた絆」を読み取れることができるのです。
今回は決算後の値動きについて、決算前のチャートに焦点を当てて「プロが具体的にどのようなところを見ているか」を解説していきたいと思います。
決算「当日」の値動きを決めるもの
決算発表の当日の値動きを決定付ける要因は、「業績予想より良いのか、悪いのか?」の一点のみです。
これは、発表された決算内容が投資家の「期待以上なのか、期待以下なのか?」と言い換えることもできます。結果はどちらになるのか......だれもが固唾を呑んで見守る決算発表で、期待以上となった場合に「サプライズ決算!」という言葉が万歳のごとく使われていることを知っている方も多いでしょう。
対して、期待より悪い決算であれば、落胆した投資家たちによる罵詈雑言が市場内(あるいは裏)に飛び交うことになります。
決算前から始まる投資家たちの「期待」とは
決算に対する投資家の期待は、「発表前」から始まっています。
投資家は当期の業績予想を、主に会社のIR(投資家情報=ホームページ上の決算短信)から入手しています。企業側には業績予想を出す義務があるわけではないのですが、大半の企業が、年4回ある決算と同時に、当期の予想(1年の目標の達成率)を公表しています。ここからすべての投資家の期待が始まる、と言えるでしょう。
次に登場するのが「アナリスト」と呼ばれる企業分析の専門家です。彼らは、IRの業績予想をもとに様々なコメントやレポートを作成します。
つまり業績予想には、単に企業が発表した予想と、それに専門家の意見を加えたアナリスト予想があることを覚えておきましょう。大企業においては、アナリストによって色付けされた予想(市場コンセンサス)を基準にして、投資家たちは決算当日を迎えます。
(参考記事)プロはここを見ている! 株式市場の「時間割」を極めよう
なお、アナリストはすべての上場企業に対して予想を行っているわけではなく、アナリスト予想があるのは対象企業の約17%程度、とする論文も発表されています(「アナリストカバレッジの現状と課題」米山徹幸)。