オンからオフまで 英グレンソンの復刻ビンテージで足元を締める
細部まで当時を再現したマニアックな靴。
「グレンソン」の復刻シリーズ、「アーカイブコレクション」より、1900〜50年代までのモデル4型をご紹介します。今年10月に東京・表参道の店「レショップ」で開催されたポップアップショップの様子です。
-1900's-
上のブーツは前ページの掲載モデル。今回の中でもっとも古い年代の復刻品になります。「エドワーディアン・スタイル」と呼ばれる貴族的な気品のあるドレスシューズで、高級靴として履かれていた歴史があります。内側のロゴ刻印も、レトロ好きにはたまらない意匠です。
-1930's-
製造された1939年当時にグレンソンは、整形外科的に足に優しい靴が未来の靴と考えていました。インソールには快適であることを示す「Joy Step」の刻印が入れられています。アッパーの革はかなり柔らかく、靴の前部が膨らみ、トゥラインも丸みを帯びて、見るからに履き心地の良さそうなシルエット。それなのにシューレース部分の合わせがドレッシーな内羽根式(オックスフォード)というのが、実にユニークでです。
【参考記事】スタイリスト池田尚輝の目が捉えた、「コーチ」が打ち出すモダンなスタイル。
-1940's-
ワーク系ブーツが注目されているいま、もっとも履きたい靴の一つがミリタリーブーツでしょう。これは英国軍からの発注に応えてつくられたもので、インソールには「1944」の年号プリントが。1940年代の世界大戦時に、靴メーカーが軍需品を提供していたことが見て取れます。シボのある「グレインレザー」はタフなうえに傷ついても目立たず、実用性を重視した革素材。パンツの裾を被せれば一般的な短靴に見えますから、カジュアルにもドレスにも活用頻度の高い一足です。
-1950's-
1950年代になると、現代でトラッドシューズと呼ばれる基本デザインが確立していきます。この靴はキャップトゥのドレスシューズで、1940年代後半に初登場したもの。トゥラインも全体のシルエットもスクエアになっており、当時は最先端のファッショナブルなデザインでした。コバが極めて大きく張り出しているのも特徴で、誇張された男性的なイメージの表れといえるでしょう。