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おしっこプールは実在する 75リットルの尿を検出

2017年3月9日(木)18時00分
松丸さとみ

また、米国の競泳五輪代表ライアン・ロクテ選手は2012年の五輪期間中ライアン・シークレスト氏のラジオ・インタビューに答えて、「なぜか塩素に入ると自動的にしちゃうんだよね」と、プール内で放尿した経験を暴露した。それを受けてマイケル・フェルプス選手もウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで「プールでのおしっこはみんなしていると思いますよ。塩素が殺菌するから大丈夫」と同意して話題になったことがあった。

尿からの副生成物で健康被害も

ブラックストック氏によると、尿はほぼ殺菌されるものの、尿素やアンモニアがプールの消毒剤に反応してトリクロラミンなどの副生成物を生成し、目や肺に炎症を起こす可能性がある。トリクロラミンは、プロの水泳選手やプールで働く人の職業性喘息との関係が指摘されているという。

ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)のウェブサイトによると、一度プールの水が尿に汚染されると、それを完全にきれいにするには水を全て取り替える以外に方法はない。しかしパデュー大学のブラッチリー教授はNPRに対し、プールの水は交換するより減った分を継ぎ足していく方が経済的であるため、何年も水が取り替えられないプールは珍しくないと指摘する。また同教授は、「プールでのおしっこは、受動喫煙のようなもの。失礼だし、危険をはらんでいる」と話している。

ブラックストック氏は、本研究がプールの利用を控えるよう訴えるものではないとし、水泳は優れた運動であり、水泳から得られる利点の方がプール中の尿による健康リスクよりはるかに勝ると指摘する。「プールでのおしっこは簡単に解決できます。しなければいい、それだけですから」と、利用者のマナー向上を訴えている。

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