韓国セウォル号、沈没から1073日目で海上へ 引き揚げは最終段階
304名が亡くなり、いまだ9名が未回収
事故は、2014年4月16日に起きた。前日、仁川港を出発した旅客船セウォル号は全羅南道珍島郡鳥島面付近の海上で沈没。修学旅行のために乗船していた京畿道安山市の檀園高校2年生のほか、乗員・乗客476人のうち304人が犠牲になる大惨事となった。そのうち9名はいまだに遺体が回収されていない。
マネートゥデイなど韓国メディアによると、檀園高校生の遺族約40名は引き揚げ作業が始まる22日から、海洋水産部が手配した漁業指導船「ムクゲ2号」に乗って、引き揚げ現場から1.5キロ離れた船上から引き揚げ作業を見守っている。
遺族が一番待ち望んでいる9名の未回収者の捜索について、キム・ヨンソク海洋水産部長官は23日午前、遺族らの元を訪れて、「船の位置のうちAデッキ、Bデッキ部分に未回収者がいるものと予想している」と明らかにした。NEWS1によれば、"Aデッキ、Bデッキ"はセウォル号の船体左舷後方にある旅客室のことで、海洋水産部はこれまでの通信記録と目撃者の証言を元に、未回収者がここにいると考えている。
今回の引き揚げ作業では、この9名の未回収者の捜索が最優先となっており、沈没直後に犠牲者捜索活動などで船体へ開けられた穴を通じて、未回収者や遺留品などが流出されないよう、2.5cmの網目の250m×150mという巨大なフェンスでセウォル号全体を包み込んでいる。引き揚げが終わるとこのフェンス内と、セウォル号が横になっていた海底の両方をダイバーが捜索することになっており、さらに木浦新港にセウォル号が移されると、船内の捜索も行われる予定だ。
事故原因については、船内増築による復元性が不足した状態で、貨物の固定ベルトが不良だったためバランスを崩したためと捜査当局は分析しているが、木浦新港での船内捜査によって事故の真相究明が進むことに期待が寄せられている。