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日米関係

真逆の日米ファーストレディー 昭恵とメラニア、共通点は「型破り」

2017年2月14日(火)08時40分

昭恵夫人は2014年、ロイターとのインタビューのなかで、10%への消費税引き上げの前に経済活性化に力を入れ、適切に税金が使われていない部分については、歳出の削減が必要であるとの見方を示した。

また、同夫人は昨年、ブルームバーグとのインタビューにおいて、日本の企業は男性社会で、「有能でバリバリ働いている」より「かわいらしい」女性を好む傾向にあり、女性も男性が良いと思う女性を演じる傾向にあると語っている。

こうした昭恵夫人の言動は日本国内でも異彩を放っているが、メラニア夫人とは著しい対照を成している。トランプ大統領の選挙活動にほとんど同行せず、国政にも深い関心を示さない。ダメージとなるような「暴露」が幾度かあったものの、公の場でトランプ氏に異を唱えることはまれだった。

昨年の大統領選でトランプ氏が女性に関してわいせつな会話をしていたビデオが発覚したとき、メラニア夫人は「受け入れがたく、攻撃的」との短いコメントを発表。ただし、同氏の謝罪を受け入れるとした。

こうしたスタイルの違いにより、2人の会話はたわいもないことに終始する可能性がある。

両夫人の間で「世界政治について話し合われることは全くないとみている」と、ファーストレディーの役割を研究する米スクラントン大学のジーン・ハリス教授は語る。「メラニアがそのような会話をしたがるとは思わない」という。

夫とは異なる意見を発する昭恵夫人のオープンさは、米国政治においてもほとんど見られないとハリス教授は指摘。米国のファーストレディーは裏で重要なアドバイザーを務めることはあるかもしれないが、公には夫に異を唱える傾向にはないという。

米大統領選の直後、メラニア夫人はCBSとのインタビューで、トランプ氏のツイッター攻撃について「いつも」夫を注意していると発言。「彼(トランプ氏)は耳を傾けることもあれば、そうではないときもある」とし、「自分の意見を言うが、あとは彼次第」と語っている。

(Yeganeh Torbati記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

Samia Nakhoul

[ワシントン 10日 ロイター]


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