最新記事

キャリアアップ特集

MBAのトレンドは海外留学から国内ビジネススクールへ

2017年2月7日(火)11時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

mba170207-sundai.jpg

MBA留学カウンセラーの山下允睦氏(写真提供:駿台国際教育センター)

ニーズの多様化で変化するMBAへの期待

MBAを取得するにあたって国内と海外では何が違うのだろうか。「習得する知識は変わらないが、その知識をもとに行う実践的な授業において、海外ではさまざまなバックグラウンドを持ったクラスメイトが集まる。多様な価値観を持った人たちとディスカッションすることが大きな経験になり、価値のあるネットワークになる」と、山下氏は解説する。一方、国内のビジネススクールで、同じような価値観を持つ日本人が集まって日本企業に特化した題材の授業をこなすことは、考え方によっては大きなアドバンテージになる。

実際に国内のビジネススクールでは、実践力の向上をテーマとしているところが多い。ケーススタディやケースメソッドなどを数多く取り入れて、実践的なカリキュラムを重視。さらに学校の数が増加したことで競争も激しくなり、結果的に国内のビジネススクールの質を向上させている。

【参考記事】ロボット化する社員が企業の倫理的問題を招く

最近では社会から求められるニーズが多様化し、国内のビジネススクールの特色にも変化があらわれている。一般的に、経営者は経営全般を俯瞰して把握し、意思決定しなければならないため、ジェネラリストとしての能力が求められる。しかし、CFO(最高財務責任者)やCTO(最高技術責任者)といった、スペシャリストの側面を持つ特定分野のトップマネジメント職としてのスキルを求めるニーズも高まっている。今では、こうしたニーズに応えるビジネススクールが増えている点も国内の特徴だ。

以前は、MBAを取得する目的はキャリアップが多かったが、山下氏は「今のトップレベルの人たちは、自分たちがソーシャルアントレプレナー(社会起業家)として起業し、世界を変えたいというのがトレンド。もちろん、既存の企業でトップを目指したいという人もまだまだ多い」と言う。海外であれ国内であれ、重要なのはなぜMBAを取得するのかという動機付けだ。国内のビジネススクールが増えて、さまざまな選択肢があふれる中、MBA取得後のビジョンを明確にすることが成功の鍵となっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独メルセデス、安価モデルの米市場撤退検討との報道を

ワールド

タイ、米関税で最大80億ドルの損失も=政府高官

ビジネス

午前の東京株式市場は小幅続伸、トランプ関税警戒し不

ワールド

ウィスコンシン州判事選、リベラル派が勝利 トランプ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中