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広告スーパーボウルCMは「世界一」高くても価値がある
広告の祭典としても世界最大のスーパーボウル(2月5日) Robert Seale-REUTERS
<別名「広告の祭典」とも呼ばれるスーパーボウル、「世界一高い」と言われるCM料金に企業がこぞってお金を出す理由は?>
スーパーボウルといえば年に一度の日曜日、1億人を超えるアメリカ人が、地元チームへの忠誠心や長年のライバル心を忘れ、一丸となってテレビにかじりつくスポーツイベントだ。2015年には米テレビ史の記録を塗り替え、最高視聴率を獲得。史上最高のプレミアムが付いた。試合中に流されるコマーシャルの値段は30秒で500万ドルと、10年前を200%も上回る。だが、本当にそれだけの価値があるのだろうか?
これらの企業スポンサーが高いお金を払ってもいいと思う理由を理解するため、44のブランドが2017年のスーパーボウルのCMに支出した額を計算した(44ブランドの業種は自動車から消費財まで多岐にわたる)。さらに宣伝された製品の小売価格を調べ、スーパーボウルCMへの支出の元を取るためには何個売ればいいのかを割り出した。
ビールなら150万倍
それによると、採算ラインは、車なら数百台、消費財なら50万個、ビールなら150万杯、といったところだ。
ちなみに、デジタルテレビレコーダー「TiVo」が毎年発表するスーパーボウルのCM視聴率リポートによると、ベスト10入りしたブランドは、起亜自動車(2位)、ホンダ(5位)、パラマウント(7位)、GM(8位)、ディズニー(9位)など。
では、お気に入りの自動車メーカーが今回どれだけ賢くCMにお金を使ったかを見てみよう。最少額で最大の効果を上げそうなのはレクサスとメルセデスのようだ。
<参考>自動車全体で元を取るためには、全社平均で267台の自動車を売る必要がある。
■フォード
支出:1500万ドル(90秒)
販売価格:「F-150」、2万6730ドルから
採算を取るための販売台数:561台
■起亜自動車
支出:1000万ドル(60秒)
販売価格:「ニロ」、2万2890ドルから
採算を取るための販売台数:437台
■アウディ
支出:1000万ドル(60秒)
販売価格:「A3」、3万1200ドルから
採算を取るための販売台数:321台
■ビュイック
支出:500万ドル(30秒)
販売価格:「アンコール」、2万2990ドルから
採算を取るための販売台数:217台
■レクサス
支出:500万ドル(30秒)。
販売価格:「LC500」、10万ドルから
採算を取るための販売台数:50台
■メルセデス
支出:500万ドル(30秒)
販売価格:「メルセデスAMG GT ロードスター」、34万9000ドルから
採算を取るための販売台数:14台