12歳で売られた花嫁 ロヒンギャの少女を取り巻く現実
人身売買に関与していたアリとだけ名乗るロヒンギャ男性はロイターに対し、ロヒンギャの花嫁需要は伸びていると語る。人身売買組織は、少女1人を家族に解放、あるいは男性に売った場合、最大7000リンギット(約18万円)を得ているという。
アリは、タイとマレーシア国境付近のジャングル地帯にある人身売買キャンプで警備を担当していた。独りで移動していたり、家族が解放するための金を払えなかったりした女性や少女は売られていったという。
「15歳、16歳くらいの少女たちがいた。彼女たちに選択の余地はない」とアリは言う。
18歳のヤスミン・ゾキール・アフマドさんは、クアラルンプールで草刈りの仕事をするロヒンギャ男性が2年前、彼女と結婚するために人身売買業者に3500リンギット払ったときのことを話してくれた。
マレーシアに至るまでの9カ月に及ぶつらい旅を終えた後だった。道中では海も渡り、食べ物も水も与えられないことが多かったタイ奥地のキャンプで長い期間を過ごしたという。
「選択肢などなかった。助けと保護が必要で、彼と結婚するしかなかった。尊厳ある生活を送りたい」とヤスミンさんは語る。
彼女の夫はコメントするのを拒否した。
(翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
[クアラルンプール 15日 ロイター]