【写真特集】世界が抱える環境移民という時限爆弾
BANGLADESH
バングラデシュは世界の中でも特に、深刻な気候変動の影響を受けている国だ。首都ダッカには毎年30万人が新たに流入し、その多くは環境移民。現在の人口は1400万人だが、2050年までに5000万人に膨れ上がると見込まれている
ガンジス・デルタ
ガンジス川、ブラマプトラ川、メグナ川で構成するデルタのボンゴール中州には600家族が住む。中州は過去8年で4度、メグナ川の浸水に見舞われ、過去3年で広さは3分の2になった。このままでは1年半で消失し、人々は移住を余儀なくされる
ダッカ
市場カウランバザールのそばのスラムの光景。線路脇で何百人もの人々が暮らしている
MONGOLIA
モンゴルでは2010年の冬は特別に厳しく、全土で800万頭以上の羊や牛、馬などの家畜が死んでしまった。約2万人の遊牧民はやむを得ず首都ウランバートルへ移住。ウランバートルの人口は過去20年間で倍増している
アルハンガイ県
モンゴル特有の寒雪害「ゾド」で死んだ羊を引っ張るツァンバ・エルデネ・トゥヤ(29)。2000頭いた羊は3度の冬のゾドで半減してしまい、一家はぎりぎりの生活を送る
アルハンガイ県
エルデネ・トゥヤと3歳の息子トゥブチンジ。寝起きの息子が抱き締めているのは一緒に寝ている子羊。一家は最近、より温暖な気候を求めて北方のボルガン県からアルハンガイ県に移住してきた
ウランバートル
ウランバートルへの一極集中が進み、人口の半分に当たる120万人以上が居住する。そのうち半分が郊外のスラムであるゲル地区に暮らしている。同地区は無計画に広がり、水道や電気などのインフラも未整備だ。環境移民である元遊牧民たちの失業率も高い