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<ワールド・ニュース・アトラス/山田敏弘>

サイバー対策の責任者となるジュリアーニの、お粗末なセキュリティ対策

2017年1月16日(月)18時30分
山田敏弘(ジャーナリスト)

 実はジュリアーニはニューヨークで、サイバーセキュリティも請け負うコンサルティング会社を運営している。しかし米メディアが調査したところ、企業の実態はよく分からないという。さらにジュリアーニの役割もよく分からず、要するに従来型の犯罪対策でコンサル業をやっているのだろうと報じられている。

 それだけではない。今回の指名を受けて、専門家がこぞってジュリアーニのコンサル企業の公式サイトを分析すると、サイバーセキュリティを業務とするにはセキュリティが余りにもお粗末なことが判明した。暗号化のシステムは更新されておらず、データ通信も古い形式のままで、安全性に問題があるソフトウェアを今も使っている――等々、セキュリティ会社としてはあり得ない数々の問題点が指摘されている。

【参考記事】インターポールでサイバー犯罪を追う、日本屈指のハッカー

 あるハッカーは、数分で同サイトから41個の脆弱性と19の欠陥が発見できたとし、「セキュリティレベルをあげるべきだ」とコメントしている。別の専門家も、ジュリアーニの問題を列挙したうえで、「そうかそうか、ハッカー達から我々を守るために(政府の)一流チームを組み立てるこの男を俺は完全に信用しちゃうな」と、皮肉たっぷりにツイートをしている。

 もちろんジュリアーニは、官民協力の顔役としては申し分ない有名人だ。またニューヨークで犯罪を激減させた実績もある。だがインターネット発祥の地であり、サイバー大国でもあるアメリカで、セキュリティ強化に取り組む重責を担う者としては、その力量はまったくの未知数だ。

 今後ジュリアーニの仕事ぶりには、専門家からさらに厳しい視線が注がれることになりそうだ。

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