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アメリカ政治トランプ今度はGMメキシコ工場に矛先 多額の国境税課すと圧力
1月3日、トランプ次期米大統領は、自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)を批判し、同社がメキシコで生産する「シボレー・クルーズ」の一部に「多額の国境税」を課すとけん制した。写真は同社のロゴ。ミシガン州で2015年10月撮影(2017年 ロイター/Rebecca Cook)
トランプ次期米大統領は3日、自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)
トランプ氏はツィッターで「GMはメキシコ産のシボレー・クルーズを関税なしで米国に輸入している。米国で生産するか、多額の国境税を支払うべき」とつぶやいた。詳細には踏み込まなかったが、かねてより米国外に生産拠点を移す企業が海外で生産した製品を米国に輸入する場合に35%の関税を課すと表明している。
GMによると、2016年に米国で販売したシボレー・クルーズは約19万台。うちセダン型の18万5500台はオハイオ州の工場で生産され、ハッチバック型の4500台がメキシコで組み立てられた。
GMは、自社サイトに掲載した声明で、メキシコではハッチバック型を世界市場向けに生産しており、米国向けはごく一部と説明した。
シボレー・クルーズは、GMの売れ筋車種の一つだが、2016年の販売は急減した。
GMは2015年、安い人件費や自由貿易協定をテコにした中南米展開の一環で次世代シボレー・クルーズをメキシコで生産すると発表。16年にはメキシコで生産したシボレー・クルーズを輸入すると表明した。
オートモーティブ・ニュースによると、シボレー・クルーズは昨年メキシコで生産開始され、5万2631台生産された。これに対し米国での生産台数は31万9536台という。
GMは昨年11月、シボレー・クルーズ生産工場を含む米国内の2工場で2000人を一時解雇(レイオフ)する計画を発表している。
トランプ氏の発言について、全米自動車労働組合(UAW)関係者のコメントは現時点で得られていない。