最新記事

アメリカ政治

トランプ今度はGMメキシコ工場に矛先 多額の国境税課すと圧力

2017年1月4日(水)08時24分

 1月3日、トランプ次期米大統領は、自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)を批判し、同社がメキシコで生産する「シボレー・クルーズ」の一部に「多額の国境税」を課すとけん制した。写真は同社のロゴ。ミシガン州で2015年10月撮影(2017年 ロイター/Rebecca Cook)

トランプ次期米大統領は3日、自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)がメキシコで「シボレー・クルーズ」を生産していることを批判し、「多額の国境税」を課すと警告した。

トランプ氏はツィッターで「GMはメキシコ産のシボレー・クルーズを関税なしで米国に輸入している。米国で生産するか、多額の国境税を支払うべき」とつぶやいた。詳細には踏み込まなかったが、かねてより米国外に生産拠点を移す企業が海外で生産した製品を米国に輸入する場合に35%の関税を課すと表明している。

GMによると、2016年に米国で販売したシボレー・クルーズは約19万台。うちセダン型の18万5500台はオハイオ州の工場で生産され、ハッチバック型の4500台がメキシコで組み立てられた。

GMは、自社サイトに掲載した声明で、メキシコではハッチバック型を世界市場向けに生産しており、米国向けはごく一部と説明した。

シボレー・クルーズは、GMの売れ筋車種の一つだが、2016年の販売は急減した。

GMは2015年、安い人件費や自由貿易協定をテコにした中南米展開の一環で次世代シボレー・クルーズをメキシコで生産すると発表。16年にはメキシコで生産したシボレー・クルーズを輸入すると表明した。

オートモーティブ・ニュースによると、シボレー・クルーズは昨年メキシコで生産開始され、5万2631台生産された。これに対し米国での生産台数は31万9536台という。

GMは昨年11月、シボレー・クルーズ生産工場を含む米国内の2工場で2000人を一時解雇(レイオフ)する計画を発表している。

トランプ氏の発言について、全米自動車労働組合(UAW)関係者のコメントは現時点で得られていない。



[デトロイト/ワシントン 3日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中