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グーグルAI、囲碁トップ棋士に60戦全勝 神の一手は人から奪われた?

2017年1月6日(金)06時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 AlphaGoは元日には、韓国籍の「Master」というアカウント名で中国のオンライン対局サイト野狐囲碁に戦いの場を移し対局を続けた。このうち1月2・3日に野狐内で行われた対局イベントでは、DeepMind社が「Master」に勝利する棋士に対して10万人民元(約168万円)の賞金を設定。中国の古力九段、韓国のパク・ヨンフン九段、日本の井山裕太九段ら日中韓のプロ棋士たちと噂されるユーザーらと対極した。しかし、結果としては世界最強と称される中国の古力九段も3回対局したが1勝もあげられず、「Master」が20戦全勝で終えた。

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野狐囲碁に登場した「Master(支配者)」


 昨年の対イ・セドル戦でも1敗しただけだったAlphaGoだけに、今回全勝したことはそれほどたいしたことでないようにも思えるが、実はその対局内容で格段の進歩を見せている。今回の60戦ではほとんどの対局で中盤を過ぎた170手前後には「中押し」となって勝利を決めていたのだ。

 従来、チェスや将棋と比べて定石が多く、感覚的な部分もあるため、人工知能がプロを打ち負かすのは無理とまで言われていた囲碁の世界だが、もはやそれは過去のことになった。事実、今回DeepMind社が対局の場として利用した野狐囲碁などのオンライン囲碁サイトでは、AlphaGoの他にも「刑天」「God Moves」という人工知能と思われる謎の超強力棋士アカウントが登場しており、もはやグーグルだけの独壇場ではない状況になりつつある。

 ちなみにDeepMind社のデミス・ハサビス氏は、先のツイートで「テストが完了したので、今年中には囲碁の団体やプロ棋士らと協力して持ち時間の長い公式戦を行いたい」と語っている。果たして神の一手はまだ人類に残されているのだろうか──。

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