最新記事

アート

お正月、日本の美にふれる 幻の絵巻も初公開「すみだ北斎美術館」

2016年12月28日(水)17時30分
坂本裕子 ※Pen Onlineより転載

newsweek_hokusai03_20161227.jpg

葛飾北斎 《隅田川両岸景色図巻(部分:両国橋付近)》 すみだ北斎美術館蔵 右から左へと隅田川の流れに沿った風景は、両国橋からスタート。さまざまな階層・職業の人々が船や徒歩で行きかう、江戸の空気満載の風景・風俗絵巻です。


 最新のタッチパネルによる情報提供や、関東大震災で焼失した北斎の大絵馬『須佐之男命厄神退治之図』の推定復元の展示など、宇宙空間のようにしつらえられた体感型の常設展示室は、家族ぐるみで楽しめる空間になっています。

(参考記事:没後6年、初の包括的な個展で観る「画」に生きた執念と精緻。「山田正亮展」に注目!

 北斎肉筆の最長のものとされる絵巻でたどる隅田川散策と、話題の建築の体感、新たなアート・スポットの誕生です。

newsweek_hokusai05_131424.jpg

葛飾北斎 《新板浮絵両国橋夕涼花火見物之図》 すみだ北斎美術館蔵 いまも続く、江戸の風物詩両国(墨田川)の花火の様子。ひしめく観覧者のにぎわいからは、「玉や~!」「鍵や~!」の声が聞こえてきそうです。

newsweek_hokusai06_131448.jpg

葛飾北斎 《忠臣蔵討入》 すみだ北斎美術館蔵 12月14日、忠臣蔵の討入に合わせた粋な展示です。褪色しやすい紫が美しく残る、保存状態がすばらしい一品。北斎はこの夜に討死にした小林平八郎を自分の曾祖父をだと語っていたとか...。

(参考記事:武士たちが挑んだ知的事業「印刷」とは? 戦国から江戸時代の個性あふれる印刷物を集めた、「武士と印刷」展をお見逃しなく!




「開館記念展 北斎の帰還―幻の絵巻と名品コレクション―」

開催期間:~2017年1月15日(日)
開催場所:すみだ北斎美術館
東京都墨田区亀沢2-7-2
開館時間:9時30分~17時30分(入館は17時まで)
(毎週月曜日休館※ただし1月2日と1月9日は開館。12月29日~1月1日、1月10日は休館)
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
入館料:一般¥1,200

http://hokusai-museum.jp/kikan/


※当記事は「Pen Online」からの転載記事です。

Penonline_logo200.jpg





今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ロシア、クルスク州の完全奪回表明 ウクライナは否定

ワールド

トランプ氏、ウクライナへの攻撃非難 対ロ「2次制裁

ワールド

イラン南部の港で大規模爆発、14人死亡 700人以

ビジネス

アングル:ドバイ「黄金の街」、金価格高騰で宝飾品需
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 6
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 7
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 8
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 9
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 8
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 9
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中