「アレッポの惨劇」を招いた欧米の重い罪
欧米の自由な民主主義国家が、恐るべき人道危機を手をこまねいて見ている――考えただけでもぞっとする話だ。適切な行動を取っていれば、イランの介入を食い止めることができた。
だが、欧米はスレイマニの訪ロもイランの戦闘参加も、見て見ぬふりをした。それどころか、シリアの将来を話し合う会議へのイランの参加を認めた。これでは介入に褒美を与えたようなものだ。
無関心と無反応は犯罪者を増長させるだけ、というのが歴史の教訓だ。88年夏、ムジャヒディン・ハルクの活動家を中心とする政治犯3万人がイラン全土で処刑された。これに対する欧米の反応は、完全な沈黙だった。この沈黙で利益を得たイラン人の多くが、ロシアと手を組んでアレッポの虐殺を主導しているのだ。
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シリアの現状は欧米の責任だ。過去の恥ずべき誤りを埋め合わせるための時間は残り少ない。それでも、シリアでの蛮行は重大な経済的・政治的結果を招くと、イランに思い知らせることはまだ可能だ。内戦の原点、つまり民衆の意思と孤立した独裁者の対決という構図に立ち戻ることも不可能ではない。
国際社会は国際刑事裁判所や戦争犯罪法廷を動かすことで、イランとロシアにストップをかけられる。今こそ沈黙を破って声を上げるときだ。さもなければ、歴史の厳しい審判を受けることになる。
[2016年12月27日号掲載]