米次期政権の顔ぶれはトランプ同様「ボス」揃い エゴの衝突も?
行政に切り込む
ホワイトハウス未経験の次期閣僚指名者らを知る人々は、彼らが従来の行政に切り込むと予想している。
保健福祉長官に指名されたトム・プライス共和党下院議員について、同じく共和党議員のトム・コール氏は「生まれながらにして決断力がある」と評する。
住宅都市開発長官に指名された元神経外科医のベン・カーソン氏について、元同僚のヘンリー・ブレム氏は「冷静」で直言を恐れない人物だと説明。「彼は紳士で、率直に語る。着想は壮大。そして世界中だれ1人として彼を脅すことなどできない」と述べた。
エネルギー長官に指名されたリック・ペリー氏は、テキサス州知事を3期務めた人物。テキサス大のテキサス政治プロジェクト学部長、ジェームズ・ヘンソン氏によると、ペリー氏はこれまで「非常に保守的でイデオロギー色を強める草の根の支持層と、非常に強い影響力を持つ財界のバランス」を取ってきた。
しかしヘンソン氏は「官僚に囲まれ、明らかに大きなエゴがしのぎを削る内閣という環境でもそれができるかどうかは、別の問題だろう」と見ている。
財務長官に指名された元ゴールドマン・サックス幹部のスティーブン・ムニューチン氏は、世界金融危機で破綻した住宅金融機関のインディマックを2008年に買収し、ワンウエストという社名で新生へと導いた。
投資会社幹部のケビン・ケリー氏は、実業界におけるこの種の機転が、政権の活性化にいかせるかもしれないと見る。高レベルの企業経験を持つ人々は、株主、取締役会、従業員、地域社会のいずれも満足させる必要があり、「非常にきちんとしていて熱心な人物でなければつとまらない」からだという。