最新記事

ハッカー

「プーチン、トランプ勝利を狙いサイバー攻撃指示」米政府関係者

2016年12月16日(金)12時40分

12月15日、米大統領選挙への介入を狙ったロシアによるサイバー攻撃は、プーチン大統領の指示によるもので、当初は米国民主主義の信用を落とす試みだったが、次第にトランプ氏を勝たせるための支援が目的になったことが、米政府関係者3人の話で明らかになった。写真はプーチン氏。モスクワで11月撮影(2016年 ロイター/Sergei Karpukhin)

 米大統領選挙への介入を狙ったロシアによるサイバー攻撃は、プーチン大統領の指示によるもので、当初は米国民主主義の信用を落とす試みだったが、次第にトランプ氏を勝たせるための支援が目的になったことが、米政府関係者3人の話で明らかになった。

 米情報当局は大統領選に影響を及ぼすため、ロシアが民主党関係機関などを標的にサイバー攻撃を行ったと結論付けたが、トランプ氏は正当に当選したと主張し、反発している。ロシア政府関係者などは、米大統領選への介入を否定している。

 ローズ米大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)は15日、MSNBCテレビのインタビューで、プーチン大統領はサイバー攻撃について知っていたはずだと指摘したが、責任を問うことはしなかった。

 「プーチン氏が知らずにロシア政府がここまで影響が大きい行動に出るとは思えない」と述べた。

 前出の政府関係者の1人はサイバー攻撃は「当初、米国民主主義がプーチン氏の掲げるものと比べて、信頼性という点で勝ってはいないことを示す取り組みに過ぎなかった」と説明。

 「次第に、(民主党大統領候補だった)クリントン氏の欠点を公にしたり、共和党関係機関に対するサイバー攻撃の結果を無視するようになった」という。

 秋までには、トランプ氏の当選を狙って支援するようになったという。経済制裁などでトランプ氏がクリントン氏よりもロシア寄りの立場を取るとプーチン氏が考えていたことが理由だと説明した。

 米NBCテレビはこれまで、米情報当局はプーチン大統領が個人的にサイバー攻撃に関与したとの「確信を強めている」と報じていた。

 サイバー攻撃は民主党関係者やクリントン氏の側近の電子メールを標的とし、大統領選中に内容が漏えいされた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 3
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 6
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    注目を集めた「ロサンゼルス山火事」映像...空に広が…
  • 10
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中