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独裁者不在で頼れるのはコネと金 混迷のルーマニアを描く『エリザのために』試写会10組20名様ご招待

2016年12月16日(金)11時00分

Mobra Films - Why Not Productions - Les Films du Fleuve – France 3 Cinéma 2016

<1960年代から続いたニコラ・チャウシェスクの独裁政権打倒を経て、四半世紀が過ぎたルーマニア。しかし、圧政から解放されたはずのルーマニア国民を待っていたのは、共産主義時代からのコネと金がものをいう社会だった──>

 近年注目を集めるルーマニア映画界をリードする1人、クリスティアン・ムンジウ監督の新作『エリザのために』が日本公開される。異様なコネ社会の中で、娘の希望をかなえるために奔走する父親の姿を描く本作は、今年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門で監督賞を受賞。ムンジウにとっては『4ヶ月、3週と2日』『汚れなき祈り』に続き、カンヌで3度目の受賞だ。

 1989年のチャウシェスク政権打倒で圧制は去ったものの不正がはびこる社会になってしまったルーマニアの今を映す『エリザのために』だが、同時に、どの国の人にも共感できる普遍性を持っている。徹底したリアリズムの中、次の世代の若者たちがどのような未来を選びとるのかを観客は見守ることになる。

[ストーリー]
 医師ロメオには、イギリス留学を控える娘エリザがいる。彼には愛人がおり、家庭は決してうまくいっているとは言えない。ある朝、登校途中に暴漢に襲われたエリザは、留学を決める最終試験にも影響するほど動揺してしまう。ロメオは娘の留学を実現すべく警察署長、副市長、試験官などコネとツテを頼り、試験に温情を与えてもらおうと奔走する。しかし当の娘には反発され、ついには検察官が彼の元へやってくる......。


[監督]:クリスティアン・ムンジウ

[出演]:アドリアン・ティティエニ、マリア・ドラグシ、ほか

[配給]ファインフィルムズ

【オフィシャルサイト】http://www.finefilms.co.jp/eliza/

2017年1月28日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開


『エリザのために』試写会
日時:日時:2017年1月20日(金) 18:30開場/19:00開映
会場:ユーロライブ 東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F ユーロスペース内

応募締切:2017年1月5日(木)10:00



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※当選の発表は試写状の発送をもって代えさせていただきます

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