最新記事

米中関係

トランプ「一つの中国政策、堅持する必要ない」

2016年12月12日(月)14時44分

12月11日、トランプ次期米大統領(写真)は、米国政府がこれまで維持してきた「一つの中国」政策について、必ずしも堅持する必要はないとの見解を示した。写真はニューヨークで5月撮影(2016年 ロイター/Carlo Allegri)

 トランプ次期米大統領は11日、米国政府がこれまで維持してきた「一つの中国」政策について、必ずしも堅持する必要はないとの見解を示した。フォックス・ニュースのインタビューで答えた。

「『一つの中国』政策については十分に理解しているが、中国と貿易などについて合意でもしない限り、なぜ堅持する必要があるのかわからない」と述べた。

 中国の当局者はこれまでのところ、トランプ氏の発言についてコメントしていない。

 中国はトランプ氏が今月2日に台湾の蔡英文総統と電話会談したことを非難していた。米国と中国が1979年に国交を正常化して以来、米台首脳が直接接触したのは初めて。

 オバマ政権はこの電話会談後に、中国の当局者らに対して米国の「一つの中国」政策に変わりがないことを確認したと明らかにしていた。

 トランプ氏の11日の発言について、ホワイトハウス関係者はこれまでの立場と変わらないと述べるにとどめた。

 フォックス・ニュースのインタビューでトランプ氏は台湾総統との電話会談に応じるかどうかについて「中国に指図されたくはない」と強調。

 また、米大統領選中に力説していたような中国批判を展開。「中国の通貨切り下げで、われわれは大きな損害を被っている」と述べるとともに、米国製品に課している関税や南シナ海での要塞の建設、北朝鮮に対するスタンスについて中国を批判した。

トランプ氏は「子供のようにナイーブ」

 中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は、トランプ氏は「外交に関して子供のようにナイーブ」と批判。「一つの中国」政策は「売り買いできるものではない」とする社説を掲載した。また、適切な時が来れば、中国は「台湾について断固とした新政策」をとると強調した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏、4日に多国間協議 平和維持部隊派遣

ビジネス

米国株式市場=まちまち、トランプ関税発表控え

ワールド

カナダ・メキシコ首脳が電話会談、米貿易措置への対抗

ワールド

米政権、軍事装備品の輸出規制緩和を計画=情報筋
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中