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AR世界初の「顔認識ARアプリ」、英国から登場:プライバシーの懸念も
拡張現実(AR)技術を手がける英新興企業ブリッパー(Blippar)が、スマートフォンなどのカメラで写した人物の顔をデータベースに照らし合わせて認識できる新アプリ「Augmented Reality Face Profiles」を開発した。同社によると、顔認識技術を搭載したモバイルアプリは「世界初」という。欧州版ニューズウィークなどが報じている。
著名人7万人以上の顔をデータベースに登録
報道によると、ブリッパーはこの顔認識アプリのために、著名人7万人以上の顔をデータベースに登録。モバイル機器のカメラで写す人物は、目の前にいる人でも、雑誌などの写真でも、ビデオでもいい。データベースに登録されている顔であれば、このアプリは認識したあと、ソーシャルメディアのプロフィールやウィペディアの項目などを画面に表示する。
英BBCが取材したニュースの動画では、このアプリを使って、俳優マイケル・ファスベンダー氏や米政治家ヒラリー・クリントン氏の写真、ボリス・ジョンソン英外務大臣のネット動画をそれぞれ認識。さらに、BBCのリポーターの顔を直接写して認識する様子も収録している。
ブリッパーの顔認識アプリでは、ユーザーが自分の顔とプロフィールをデータベースに登録することもできる。英メディアのデイリーメールによると、英国ではすでにiOS版とAndroid版が提供開始されているという。
顔認識技術とプライバシーの懸念
ブリッパーは2011年にロンドンで設立された。社名を冠した「Blippar」アプリ(iOS版、Android版)は、花や料理、衣料品など、さまざまなものをカメラで写して、被写体の情報(花ならその名前や育て方、料理なら作り方など)を提供するというもの。このアプリにはARと人工知能(AI)の技術が応用されているという。
欧州版ニューズウィークは、ブリッパーの顔認識アプリではユーザーが第三者の顔を許可なく登録することも可能だとして、プライバシーの懸念を引き起こすかもしれないと指摘している。
顔認識技術に関しては、グーグルがウェアラブルコンピュータ「グーグル・グラス」を2013年4月に開発者向けに販売開始したのち、6月、プライバシー侵害に対する懸念に配慮して同製品での顔認識技術の利用を当面禁止すると発表した。同社は2015年1月、グーグル・グラスの一般消費者向けの販売を中止している。