有名キャスターをここまで脅していたトランプ陣営
コーエンは暴力的なメタファーもしくは暴力そのものをを好んで使う男だ。44歳の彼は、陣営内はもちろんニューヨーク中で、トランプの「闘犬」として知られている。映画『ゴッドファーザー』に登場するマフィアのヴィトー・コルレオーネの相談役トム・ヘイゲンになぞらえて、「トム」という愛称で呼ぶ人もいる。忠誠心が人一倍強い反面、逆上すると手におえないキャラクターだ。
以前ABCニュースのインタビューでコーエンは言った。「もしだれかがトランプ氏の気に入らないことをすれば、彼のために問題を解決するべく、力の及ぶ限り何でもする。もし相手が間違いを犯せば、俺は目の前までやって来て首をつかみ、用が終わるまで逃がさない」
コーエンは大統領選を通してトランプを猛烈に擁護していたことでも知られる。トランプから過去にわいせつ行為を受けたという女性らを指してセクハラを受けるような魅力的な容姿ではないとあざけったトランプの主張をそのまま繰り返した。「美しさは見る者が決めるもの。あの中に彼の目にかなう女性はいなかった。つまり、この話はでっち上げだということだ」
ケリーはニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで、トランプ次期大統領が率いる新政権下の報道の自由を擁護する人にとって、彼女の経験は参考になると言った。
「トランプが私やFOXニュースに自分の思い通りの報道をさせようと執拗に仕掛けてきた今回の選挙戦は前代未聞で、潜在的な危険をはらんでいる」と彼女は言う。もしホワイトハウスの主になっても同じ行動を繰り返すなら、「かなりぞっとする話だ」
本当だとすれば、まるでギャングである。