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韓国朴槿恵にとどめを刺せない韓国左派の事情
Yonhap-REUTERS
<大スキャンダルに見舞われた韓国の朴槿恵政権は求心力が低下するばかり。それでも「即時辞任」となると、左派政党側にとっては都合が悪い>(写真:韓国左派は朴槿恵のスキャンダルを追及するが)
韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、親友の国政介入疑惑に端を発した一大スキャンダルで求心力が弱まる一方だ。彼女の意思決定には、今となっては何の権威も政治的影響力もない。朴に辞任を求める国民の声は、日増しに高まっている。
しかし、もし「即時辞任」となったら、左派政党側にとって非常に都合が悪い。もちろん当事者たちも、その点は百も承知。朴政権をひっくり返す可能性が十分あるだけに、より慎重な出方を探っている。
野党側が朴の即時辞任、つまり直近の大統領選を望まない理由は2つある。まず、左派系の大物大統領候補者があまりに多過ぎる点だ。
前「共に民主党」代表の文在寅(ムン・ジェイン)や「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)共同代表、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長、李在明(イ・ジェミン)城南市長、安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事など、当選を十分に狙える面々がずらりと並ぶ。さまざまな世論調査で健闘している彼らだが、候補者の絞り込みについては意見の一致は得られていないようだ。もし大統領選がすぐに実施されれば左派は分裂に陥り、保守陣営の候補が勝利をつかむだろう。
【参考記事】[動画]韓国100万人の退陣コール 朴槿惠大統領、週明けに検察が聴取へ
もう1つの理由は、今回の大スキャンダル後も左派政党への支持がそれほど高まっていないことだ。
ギャラップ・コリアの世論調査によれば、与党セヌリ党の支持率は34%から18%に下落し、朴自身の支持率は33%から5%へと急落した。しかし同じ時期に「共に民主党」は7ポイント、国民党は1ポイントしか支持率を伸ばしていない。
セヌリ党離れした有権者は「支持政党無し」の状態にある。もしスキャンダルが収束したり、今日が投票日だとすれば、保守派に戻って票を投じるはずだ。
冷静に考えるなら左派は、次の大統領選が予定される来年12月まで朴を大統領府にとどめ、国民の不満のはけ口として利用するのが賢明だ。早過ぎる大統領選は、彼らにも都合が悪い。
From thediplomat.com
[2016年11月22日号掲載]