トランプ「大統領」のエネルギー政策
2016年11月10日(木)16時50分
アメリカだけでイランの原油輸出を抑えることはできない
さすがFT、良く分析できていると思うが、一点だけ容易に同意できないポイントがある。イラン核協議に関する点だ。
トランプは、TPP反対、NAFTA廃止等、アメリカ最優先=孤立主義を主張している。
イラン核協議を巡る問題は、多くの関係国を巻き込んでいる。アメリカだけでイランの原油輸出を抑えることはできないのは明白だ。
「オレ、知らんよ。お前たちだけで勝手にやってくれ」というのは簡単だ。だが、アメリカがイランを含む中東問題から手を引くということは、一種の無秩序を招来する。よく言えば、自由経済の原則が通用するようになる、ということだ。
その結果、どうなるか? 各当事者(産油国、大手国際石油会社等)が、自らの判断にのみ基づき生産を行い、将来のための投資を行うということだ。その結果、市場は激しく乱高下することになろう。
FTの見方と異なり、トレーダーを含むすべての市場関係者にとって、「心配」が増えるだけではなかろうか。
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