デキちゃったブリジットの幸せ探し
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<12年ぶりのシリーズ最新作は計算外の妊娠をした主人公ブリジットが、2人の王子様に愛される超安定の王道路線>(写真:子持ちの友人にひそかに憧れていたブリジットは妊娠を喜ぶが、子供の父親は謎のまま)
ドジだけれど、どんな災難にもめげないブリジット・ジョーンズが読者のハートをつかんだのは20年前のこと。ロンドンを舞台に、アラサー女子ブリジットのどたばたシングルライフを描いたヘレン・フィールディングの小説『ブリジット・ジョーンズの日記』は、世界中でベストセラーになった。
もっとも、禁煙を誓いながら吸ってしまったたばこの本数と酒量を日記につけては一喜一憂し、結婚のことしか眼中にないブリジットを、筆者は好きになれなかった。男や体型のことでうじうじ悩むヒロインにうんざりし、本は途中で投げ出した。
だが、01年に公開されたシャロン・マグワイア監督の映画版は違った。レニー・ゼルウィガーが15キロ太り、体当たりで挑んだヒロインには魅了された。
ブリジットの価値観や目標は古風だ。「結婚して優越感に浸る」のが夢で、夜な夜な太もものサイズを気に病むのは小説と変わらない。しかしゼルウィガーが作り上げたのは、それまで見たことのないヒロインだった。映画版のブリジットははしゃいでいたかと思えば一瞬で塞ぎ込み、夢見る女子なのに奔放で、誇らしげに「尻軽」を自認した。
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しかも当時のヒュー・グラントとコリン・ファースといえば、ラブコメディー界に君臨する2大貴公子。『ブリジット・ジョーンズの日記』は当代きってのモテ男2人と三角関係を演じるまれなラブコメだったのだ。
04年の『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』でも2人は恋の火花を散らす。この続編はブリジットに結婚式のブーケをキャッチさせ、マーク(ファース)との結婚が近いとにおわせて終わる。
そして12年ぶりの第3弾『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』では、冒頭で女たらしのダニエル(グラント)があっさり事故死。ブリジットは葬儀に参列し、誰も知らないはずのダニエルとの思い出を友人に耳打ちする。しかし教会は、彼の元カノであふれんばかり。それも全員が同じ思い出に涙しているらしい。
さらにもう1人の元カレ、マークも葬儀に居合わせたからたまらない。ブリジットとくっついたり離れたりを長いこと繰り返した後で、弁護士のマークは別の飛び切り優雅な女性と結婚している。ブリジットは夫妻とぎこちなく挨拶を交わし、教会を飛び出す。