激戦の新潟県知事選、全国の原発再稼働問題の天王山に
米山氏が再稼働阻止を前面に出したことで原発問題が争点に浮上。再稼働に積極的な自民党の推薦を受ける森氏は、今月8日、柏崎市での演説で「原子力規制委員会の結論が出てもすぐ再稼働ということではない。検証して問題が出れば、東電に対しても国に対しても『再稼働にはノー』という覚悟で臨んでいる」と明言した。
石破氏は13日の応援演説後、「(森氏当選の場合)新潟県知事として原発をどう考えるか、森さんが判断すること」と指摘した。
14日夜には民進党の蓮舫代表が新潟入りして米山氏応援の演説を行うという。
<思わぬ接戦、再稼働により重い意味>
国のエネルギー政策に関する審議会に多数参加してきた東京理科大学大学院の橘川武郎教授は、かねて「原発再稼働問題の天王山は柏崎刈羽だ」と指摘してきた。
すでに九州電力<9508.T>川内原発や四国電力<9507.T>伊方原発などで再稼働が実現してきたが、5年半前に福島で過酷事故を起こした東電による原発再稼働はより重い意味を持つ。
橘川氏は知事選が柏崎刈羽原発再稼働に与える影響について、「どちらが勝つか分からないが、米山さんが接戦に持ち込んだこと自体、意味がある。森さんが勝ったとしてもそう簡単に東電による柏崎刈羽再稼働とはいかないだろう」とロイターの取材で述べた。
(浜田健太郎 編集:北松克朗)