南スーダンで狙われる国連や援助職員
ここ数カ月、国連職員は政府軍の検問所で殴られ、拳銃で撃つと脅されるなど、日常的に虐待行為に遭っている。戦闘が再燃した7月には、政府軍の兵士が国連世界食糧計画(WFP)の物流拠点で22万人の1カ月分に相当する食料を略奪し、被害額は3000万ドルに上った。
8月2日には出産間近の妊婦を搬送していた国連の救急車が、15カ所の政府軍の検問所で次々に足止めされ、医療施設への到着が当初予定より2時間も遅れた。国連の機密報告書によると、「赤ん坊は生まれた時すでに死亡していた」。AP通信が最初に伝えた。
その3日後には、自動小銃を持った南スーダン政府軍兵士が国連施設の外で車両を止め、2人の外国人職員に「言いがかりをつけて激しく暴行」、殺すと脅した。8月16日にも南スーダン兵が国連の事務所近くに設置された検問所で、国連車両に乗っていた運転手を電気コードで打ちすえたうえ、解放のために賄賂をよこせと脅迫した。
「7月にジュバで戦闘が起きて以来、国連職員を標的にした襲撃は、残虐さも、暴力が及ぶ範囲もエスカレートしている」と、国連の専門家パネルは報告書で指摘した。
中国のPKO隊員も犠牲に
もっとも当の国連も、武力衝突が起きた最中に市民の保護を怠ったとして、痛烈な批判を浴びている。7月に大規模な武力衝突が起きた際、中国のPKO部隊は数千人の市民が避難していた国連の保護施設の持ち場を放棄して逃走した。
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7月にテレイン・ホテルで援助職員が南スーダン兵士に襲撃された事件では、現場から何度も救助要請を受けたにも関わらず、中国とエチオピアのPKO部隊が出動を拒んだ。南スーダンにおける国連の活動状況について調査した米NGO「紛争地域民間人センター(CIVIC)」が、今月5日に公表した調査報告書で明らかにした。
南スーダンは、キール大統領派と当時のリヤク・マシャール副大統領派の内戦が4月に収まったばかりだったが、7月には早くも戦闘が再燃した。
7月10日には、国連が保有する装甲車の近くで対戦車用兵器グレネードRPGが爆発し、数人の隊員が負傷、中国のPKO隊員2人が死亡した。CIVICの報告書によると、1人の中国人の死因は出血多量だった。重傷者の処置のため現場から16キロ離れた国連の医療施設へ搬送したいと要請したが、政府軍が拒んだためだ。
送別会に出ていたハレドが聞いた銃声はグデレという町のもの。反政府勢力が政府の検問所を銃撃、少なくとも4人の政府軍兵士を殺した。