絶対権力まであと一歩、プーチン最後の敵は「KGB」
排除されつつある古い顔触れの中でもプーチンの明らかなお気に入りは、彼の警護責任者を長年務めたビクトル・ゾロトフ上級大将だ。4月には、新たに創設した大統領直属の治安部隊「国家親衛隊」の親衛隊長に任命、閣僚級ポストを与えた。さらに4月5日に開催された連邦安全保障会議で、ゾロトフを終身メンバーに加えた。ところがその6日後、何の説明もなく決定は取り消された。
透けて見える内部闘争
連邦安全保障会議の公式ホームページは決定取り消しの事実を認めており、終身メンバーが集まってほぼ毎週開催される会議の写真にゾロトフの姿は映っていない。それにも関わらず、プーチン率いるロシア政府の公式ホームページは4月以降、ゾロトフは終身メンバーであるという立場を示しており、双方の主張は矛盾したままだ。対照的に、大統領府長官から降格されたはずのセルゲイ・イワノフは同メンバーに留まっている。国家最高機関に関わるメンバーの地位や所属について、政府所属の2つの公式ホームページで相反する見解を長期にわたり示し続けるというのは、ロシアでは極めて異常な事態だ。
プーチンは圧倒的な優位にあるとはいえ、国内で無敵というわけでもなさそうだ。
The article first appeared on the Atlantic Council site.