自動運転車普及のカギは運転しないドライバーへの「暇つぶしコンテンツ」
完全な自動運転はそれ自体が十分なエンターテインメントかもしれない
ドライバーが運転中に、道路から目を、ハンドルから手を離さなくてもよくなる日は急速に近づいている。では、自由になったその集中力はどこに向かうのだろうか。多くの場合それはスマートフォンだったりするのだが、それとは別にハンドルやペダルがなくなることで運転席の前方に大きなスペースが生まれることにもなる。
つまり、この空いたスペースを車内エンターテインメントコンテンツに活用すればいいのだ。
これまでも触れてきたが、ドライバーが移動中の時間を運転に集中するのではなく、コンテンツの消費に充てるようになるために、音楽や動画のみならずwebやモバイルアプリも含んだ車内エンターテインメントは、今よりもずっと大きなビジネスとなるだろう。
また、車がエンターテンイメントの中心となる未来とはどのようなものだろうか? ロールスロイスが今年発表したコンセプトカーは、これまでのコンソールが大型スクリーンに置き換えられ、それでビデオを観たり、Siriのような人工知能とやり取りをしたり、ウェブブラウジングを座り心地のいいシートで体験できる。
プリウスの自動運転車でも話題になったように、たしかにハンドルが勝手に動いているのは、いまの常識からすると見ていて気持ち悪いところもあるかもしれない。だが、ハンドルが交通史の過去の遺産になるような未来になれば、その代わりに我々を待っているのは、より多くのエンターテインメントだろう。