米大統領選、第1回テレビ討論を世界はどう報じたか
イギリスでは、左派系ガーディアン紙がこう報じている。「落ち着いた」クリントンがトランプの納税疑惑や「人種差別発言」などに「大打撃をいくつか与えた」のに対し、トランプは逆上し、うろたえていた、という。また経営者として破産宣告した際に「何千もの取引先への借金を踏み倒した」ことや、バラク・オバマ米大統領はアメリカ生まれではないというバカげた主張を繰り返していたことなどをクリントンに突かれた、とも書いている。
保守系の英デイリー・テレグラフ紙も、同紙特派員たちの意見からクリントンに軍配を上げている。また、トランプの喉が詰まったような声と、何度も鼻をすする様子はイギリスのSNSでかなり話題になった。
「数字上ではクリントン勝利だが、トランプはまだノックアウトされていない」と評したのは、ドイツの大衆紙ビルト。クリントンの落ち着いた態度に注目する一方、両候補とも大きな失点はなかったことにも言及した。
スペインでは、エル・ムンドやエル・パイスといった全国紙に、影響力の強いバルセロナの地方紙ラ・バングアルディアも、クリントンの落ち着いた態度を賞賛し、テレビ討論初戦の勝利を伝えている。
より身近に報道していたのは、メキシコのメディアだろう。トランプは米メキシコ国境に不法移民侵入を防ぐフェンスを――メキシコの負担で――築くと言っている。同国では、クリントンによるトランプの人種差別批判が特に注目を集めた。
メキシコの国営通信社ノティメックスは、CNNの世論調査結果を引用しながら「クリントンがトランプを圧倒した」と報じた。