イギリス最大野党が大企業と対決姿勢、労働者階級の支持取り戻す狙い
9月26日、英労働党が左派的な経済政策を打ち出した。写真はコービン党首。リバプールで25日撮影(2016年 ロイター/Peter Nicholls)
英国の最大野党である労働党は26日、苦戦している産業分野を支援するための基金創設で1000億ポンド(1300億ドル)の資金を借り入れる方針を明らかにするとともに、規制強化など左派的な経済政策を打ち出した。
大企業との対決姿勢を鮮明にすることで、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)決定の中心となった労働者階級の支持を取り戻したい考えだ。
政治的なエスタブリッシュメントを拒絶しブレグジット支持に回った有権者は、昨年の選挙で労働党を見放した。リバプールで開かれている労働党の党大会は、来年に総選挙が実施されることを想定。こうした有権者の支持を取り戻すための政策が打ち出された。
24日の党大会で、これまで以上の支持を受けて再選されたコービン党首は、労働党をより左寄りの方向に導く考えだ。このことは、労働党を1997年から2010年にかけて政権の座につけたビジネス界に近い中道路線から離れることを意味する。
労働党の「影の内閣」で財務相を務めるマクドネル議員は、最低賃金の引き上げるとしたほか、株主利益の実現のために企業が過剰な債務を負うことを防ぐよう会社法を改正すると主張。税逃れの撲滅のための努力も再び強化すると述べた。
マクドネル氏は党大会で「われわれは労働者に恩恵が行くように、税や投資について、そして、経済的な制度のあり方についてルールを書き換える」と述べた。