中国「未完の橋」が示す北朝鮮との蜜月の終わり
中朝が米国率いる国連軍と戦った1950─53年の朝鮮戦争において、丹東は中国人民義勇軍の兵站前線となったため、丹東と北朝鮮のあいだには感情的な絆が根付いている。
朝鮮人参や、蛇や薬草で満ちた蒸留酒など、しばしば質の悪そうな北朝鮮の製品で店先は一杯になっている。北朝鮮政府が経営するレストランでは、同国のウエートレスが好奇心旺盛な旅行客に向けて愛国的な歌を歌っている。
こうした両国関係は、北朝鮮による核やミサイルの実験に加え、北朝鮮の住民や治安部隊に責任があるとされる断続的な銃撃や殺人によって、非常に緊迫化している。
「北朝鮮が嫌いだ。あちらの警察は、冬にイモやトウモロコシなどを売りに出掛けた農家を銃撃したりした」と丹東で農業を営む70歳のZhao Guangfuさんは語る。
中国の延辺大学朝鮮韓国研究センターでディレクターを務める金強一氏は、中国は、北朝鮮に対して自身が「悩ましい」立場にあることを自覚していると指摘する。
「われわれは、彼らに対し改革や開放を迫り、変革を求めるかどうか選択することができる」と金氏は語る。「もちろん政治的・軍事的制裁は強化される必要がある。しかし、民間レベルの開放や交流もまた強化されなければならない」
門戸を閉じては、うまくいかないと同氏は言う。「それで本当に変えることができるのか」
(Sue-Lin Wong記者 翻訳:高橋浩祐 編集:下郡美紀)