プライベートジェットで大学訪問すると合格?──米名門校の入り方
ツアーは超富裕層の子どもと親に大人気だと、同社のジョシュア・ヘバートCEOは言う。マジェラン会員の多くはもともと自家用ジェット機を所有しているが、大学ツアーも含め飛行プランの作成などが煩わしいためにマジェランのサービスを買うのだという。
マジェランによると、過去2年間で22家族が大学パッケージツアーに参加しているほか、22人の顧客が、オーダーメイドのキャンパス訪問を行った。
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アメリカの名門大学が、学生の勧誘で富裕層の子どもにターゲットを絞り、多少成績が悪くても大目に見る傾向にあるのは周知のとおりだ。2004年にピュリツアー文学賞を受賞したアメリカのジャーナリスト、ダニエル・ゴールデンは、著書『合格の値段──アメリカの支配階級が金で名門大学に入る一方、締め出されているのは誰か』のなかで、白人の特権階級を優先して入学させる大学入試の黒い実態を暴いた。
大学が知りたいのは親の経済力
大学は、とにかく裕福な家庭の子どもを入学させたがる。たとえ書類審査の評価が低くても、優先されるのは学力より親の経済力。高等教育は金次第のビジネスだ。全米上位の大学はどこも莫大な寄付金を集められたからこそ、充実した図書館を完備し、優秀な教授陣を囲い込み、キャンパスを豪華にして今の絶対的な地位を築くことができたのだ。
その結果、アメリカの名門大学に入学するのは今や米大統領選に出馬する以上の難しさで、合格基準は以前にも増して不透明になっている。こう話すのは、マジェラン社の大学ツアー参加者に参考資料を提供するアドバイザーのミミ・ドウだ。彼女の推計では、どこの大学も全学生の半数を、スポーツ推薦枠からの入学者や卒業生の子息、もしくは富裕層の子息が占める。
多額の寄付を確保したい大学関係者は、入学許可の判断材料として、あらゆる手段を講じて応募者の家庭の経済力を探ろうとする。やり手の大学カウンセラーや同窓生、豪華な大学ツアーを提供するプライベートジェット運営会社まで、情報源はいくらでもある、というわけだ。