リオ五輪でプロポーズが大流行 「ロマンチック」か「女性蔑視」か
多くの人には認識されなくても実は性差別である場合、これをどうやって取り除いて差別のない社会を作っていくのか?これが女性あるいは性的少数者の大きな課題だ。
中国人男性選手の女性選手への公開プロポーズが「メダル獲得をするほどの業績を成し遂げた何選手」を「俺の」女というくくりに矮小化する動きとして、英国では受け止める人がいる。これが現実だ。
日本からすると、男性選手の女性選手への公開プロポーズが「女性蔑視」という見方にまで何故エスカレートしてしまうのかと不思議に思われるかもしれないが、ガラスの天井や性差別への感度が高い(高すぎる)から、とも言えよう。
そして、例え極端すぎる、あるいは敏感すぎる反応だとしても、こうした指摘を一つずつ見てゆくことで、多くの人が意識しない性差別を取り除いていくことができるのではないか。だからこそ、BBCもこの話題を取り上げたのではないかと筆者は思う。
[執筆者]
小林恭子(在英ジャーナリスト)
英国、欧州のメディア状況、社会・経済・政治事情を各種媒体に寄稿中。新刊『フィナンシャル・タイムズの実力』(洋泉社)、『英国メディア史』(中央公論新社)、『日本人が知らないウィキリークス(新書)』(共著、洋泉社)
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。