強気なイギリスのフィンテック業界「従来型企業が危機のEU離脱こそチャンス」
フィンテック業界団体イノベート・ファイナンスのローレンス・ウィンターメイヤーCEOは「(国民投票の結果が判明した6月)24日はショックが広がったが、フィンテック企業の大半は今では成長機会に注目している」とし、「彼らはそもそも非常に革新的な企業家たちであり、ブレグジット(英EU離脱)を切り抜けるだろう。旧来型の企業が不利になったときこそ、新興企業にとってはチャンスになる」と話す。
フィンテック王国
会計事務所EYが英政府の委託でまとめたリポートによると、英国のフィンテックセクターは昨年、66億ポンドの収入を稼ぎ出した。
EYによると、市場規模や投資額、従業員数のほか、緩い規制や政策支援という総合点で英国は世界一のフィンテックハブとなっている。
確かに投資額で見ると、ベンチャー投資が盛んな米国に大きく後れを取っている。ただし、米国ではハイテクの中心地がシリコンバレーで金融の中心地はニューヨークというように、広大な国の両端に分かれているが、英国ではほぼすべてがロンドンにあるという強みがある。
主要市場の欧州でのシェアを争うライバルはドイツだが、ドイツも米国と同様、金融ハブのフランクフルトはハイテクのベルリンから540キロもの距離がある。また、主要言語が英語ではない点もネックだ。
(Jemima Kelly記者、Huw Jones記者 翻訳:吉川彩 編集:田中志保)