リオは便乗商法が花盛り、五輪マークのコカインまで
しかし、ブラジルではヤミ市場が一大産業となっている。さまざまな業界の試算によると、海賊版の売上げは年間300億ドルをはるかに超えるという。
オリンピック主催者がこの問題に直面するのは、初めてのことではない。2008年の北京五輪のときも、やはり多くの海賊版の製造拠点である中国で取り締まりが展開された。
アラガオン警部率いるチームは先週、有名なコパカバーナとイパネマのビーチ周辺にある観光客向け市場の土産物屋を摘発した。ペン、キーホルダー、Tシャツ、ビーチタオルなど、2300品目以上を押収したという。
「どの業者も、こういうイベントがあると、違法かどうか分かっていても一儲けしたがる」と同警部は言う。
捜査網に引っかかった業者のなかには、さっぱり合点がいかないという者もいる。
「リオ2016。これがどう保護されているというのか。ただ、地名と年を並べただけではないか」。そう憤るのは、コパカバーナで土産物のナンバープレートを売っているワシントン・バルデラマさんだ。先週の摘発で75枚が押収され、600ドルの売上を失ったという。
摘発はいたちごっこ
今年5月の法改正で著作権法が強化され、「リオ2016」「オリンピック大会」「リオ・オリンピアード」などの名称と「その他これらの略称又はバリエーション」は、言語を問わず権利保護されることになった。
五輪主催者側は、リオを訪れる観光客が必ず足を運ぶコパカバーナの砂浜海岸に「メガストア」と称する巨大な白いテントをオープンしている。