最新記事

2016米大統領選

共和党員に広がる反トランプの声、一部資産家たちはクリントン支援へ

2016年8月6日(土)10時20分

 米共和党員でありながら、大統領選候補ドナルド・トランプ氏に不快感を抱いている資産家グループが民主党候補ヒラリー・クリントン前国務長官への支援の輪を広げる運動に乗り出している。この運動の複数の関係者がロイターに明らかにした。

 こうした資産家グループは、トランプ氏に幻滅した他の共和党員にクリントン氏を当選させるための献金や運動参加を呼び掛けており、クリントン氏本人や陣営から直接激励を受けた人もいる。

 伝統的に共和党に大口献金してきた人々は、トランプ氏が女性やメキシコ人、イスラム教徒、復員軍人などに関して反感を誘う発言を繰り返している点に、心穏やかではいられない心境にある。そこでクリントン氏の陣営に巨額の資金を投じたり、穏健な共和党員にトランプ氏支持撤回を促せば、事態を変えることができるというわけだ。資産家たちがクリントン氏の応援に回れば、自らの事業成功が大統領としてよりふさわしい条件だとトランプ氏が主張しにくくもなる。

 クリントン氏を支援する組織としては、共和党のロビイストのクレイグ・スナイダー氏の団体や、ジョージ・ブッシュ前大統領の政権で働いていたジョン・スタブス氏らが率いる「R4C16」、米商業会議所幹部のピエロッティ・リム氏が共同代表を務める「ヒラリーを支持する共和党女性」などが挙げられる。

 前の2つは勝手連的だが、リム氏の団体はクリントン氏陣営と一緒に動いている。リム氏は招待された民主党大会で「トランプ氏を嫌悪し、公然とクリントン氏を支持する共和党員の声を届けたかった」と述べた。

 また法律事務所ウィンストン・アンド・ストローンのパートナーで「数十年来の共和党員」と自負するダン・ウェブ氏は「トランプ氏に投票すれば孫たちに顔向けできなくなるとの結論に達した」と語り、シカゴで共和党員のビジネス関係者にクリントン氏支援に加わるよう説得して回っている。ウェブ氏の場合、活動を始めたのは著名投資家J・B・プリツカー氏と、クリントン氏の長年の友人であるラニー・デービス氏の誘いがきっかけになった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

共和党系11州が米資産運用大手3社提訴 電気料金つ

ワールド

イラン、レバノン停戦を歓迎 イスラエルの空爆には反

ビジネス

米国株式市場=反落、インフレ指標受けテクノロジー株

ビジネス

NY外為市場=ドル幅広く下落、祝日前にポジション調
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式トレーニング「ラッキング」とは何か?
  • 3
    黒煙が夜空にとめどなく...ロシアのミサイル工場がウクライナ無人機攻撃の標的に 「巨大な炎」が撮影される
  • 4
    「健康食材」サーモンがさほど健康的ではない可能性.…
  • 5
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 6
    「健康寿命」を2歳伸ばす...日本生命が7万人の全役員…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    未婚化・少子化の裏で進行する、「持てる者」と「持…
  • 9
    トランプ関税より怖い中国の過剰生産問題
  • 10
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 6
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 7
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 10
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中