中国、杭州G20会議の脱線を警戒 経済大国としての立場確立狙う
しかし西側高官も、自国企業による中国へのアクセスが制限されていることについて批判をおおっぴらに口にするようになってきた。
欧州連合(EU)中国商工会議所のブトケ会頭は、欧州高官が中国の設備過剰問題や、対等な市場アクセスの欠如について以前より不満を表明するようになったと説明。「とうとう声を挙げるのを怖がらなくなった」と語る。
従って、G20首脳会議が波風が立たずに進むとは考えにくい。
北京在住の西側外交筋は「中国は目下、ほぼ誰に対しても怒っている」と話した。
日本への懸念
東シナ海の領土問題などで対立を繰り返してきた日本の存在もある。
中国は、米国の要請で日本も南シナ海問題に首をつっこんでくるのではないかと深い疑念を抱いている。
中国外交部のシンクタンク、中国国際問題研究所の発展途上国プログラム責任者、Wang Youming氏は環球時報への寄稿で、G20首脳会議が近づけば近づくほど、日本は問題を引き起こそうとすると主張した。
同氏は「日本は南シナ海および東シナ海問題に関わり、フィリピンにすり寄り、『仲裁』判断とやらを尊重するよう中国に迫ろうとしている」と書き、「日本は相変わらず、自らが状況を混乱させようとしているという事実から必死で目をそらそうとしている」と批判した。
(Ben Blanchard and Michael Martina記者)