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WTOアメリカ通商代表部、中国に「市場経済国」は自動認定されずと伝達
7月14日、米国は中国に対し、「市場経済国」として認定されるための取り組みが不十分だと通告した。特に鉄鋼やアルミニウムの過剰生産を指摘している。写真は北京で3月撮影(2016年 ロイター/Kim Kyung Hoon)
米国は14日、中国に対し、「市場経済国」として認定されるための取り組みが不十分だと通告した。特に鉄鋼やアルミニウムの過剰生産を指摘している。
中国は2001年、WTOに加盟した際、ダンピング(不当廉売)の是非が輸出製品の公定価格や国家管理価格ではなく、補助金を除いた価格で判断されるという条件を受け入れた。こうした合意条項は、加盟から15年後となる16年12月11日に失効することになっている。
米通商代表部(USTR)のクリス・ウィルソン氏はWTOの会合で、同条項が失効するからといって、中国が自動的に「市場経済国」に認定されるとは限らないとの考えを伝えた。ロイターが確認したウィルソン氏の発言内容によると、同氏は中国が各加盟国の国内法に基づき市場経済国であるということを示す必要があると述べた。
同氏はまた、これまでの中国の市場改革が期待外れであることは明らかだと指摘。「特にアルミニウムや鉄鋼分野で国家の介入が過剰な生産能力や供給を招き、ひいては世界中でこうした分野の企業の存続を脅かしている」と指摘した。
WTO幹部によると、中国側の代表者は、同条項の失効が自動的に市場経済国の認定につながらないことに同意する一方、失効後は中国に対する「差別的な反ダンピング措置」を継続する法的根拠はなくなるとの見解を示した。