画期的ホラー『死霊館』の続編で、ひと味違う背筋の凍る体験を
2016年7月8日(金)16時10分
「古典」へのオマージュも
それだけに、些細なアラが目立つのは確かだ。お化け屋敷的ホラー『インシディアス』と同じ監督とは思えないと、多くのホラーファンを驚嘆させた前作に比べ、今回はやや『インシディアス』寄り。特殊メークの悪鬼と絶叫シーンがてんこ盛りだ。
だがホラーらしい手法がいい味を出している部分もある。テレビのチャンネルが勝手に替わるシーンや殺風景で息苦しさを感じさせるセットなどは、『ポルターガイスト』や『サイコ』といった古典ホラーに捧げられたオマージュだ。
いずれにせよ、ワンも脚本のケアリー・ヘイズとチャド・ヘイズもストーリーを最優先しているのは明らかだ。そういう意味では前作以上に伝統的なホラーに近い。絶叫系ホラーを期待すれば肩透かしを食うだろうが、じわじわくる怖さが好きな人にはおすすめ。安っぽい小細工に頼ることなく身の毛もよだつシーンを生み出す手腕は、さすがホラー映画の名匠だ。
【映画情報】
THE CONJURING 2
『死霊館 エンフィールド事件』
監督╱ジェームズ・ワン
主演╱ベラ・ファーミガ
パトリック・ウィルソン
日本公開は7月9日
[2016年7月12日号掲載]
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