民族消滅に近づくイラクの少数派
2016年7月6日(水)16時25分
報告書によれば、2014年6月以来、イラクでは330万人が国内避難民となっており、その3分の1が子供だ。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、今年ヨーロッパを目指して地中海を渡った難民の15%がイラク人だとしている。
戦況に関わらずイラク人には災難が降りかかる。4団体の報告書発表の前日にはバグダッドで爆弾テロが発生、200人以上が死亡した。先月イラク政府がようやく西部の都市ファルージャをISISから奪還した後も、数百人の男性と少年が民兵組織に拉致されたとされ、今月5日にゼイド・ラアド・ゼイド・アル・フセイン国連人権高等弁務官が彼らの解放を求めている。
【参考記事】イラク政府のファルージャ奪還「成功」で新たな火種
「イラクの少数派は今や、イラク中央政府やクルド自治政府だけでなく、国連に対しても幻滅し落胆している」と、少数派のための国民・民族機構(UNPO)のジョアンナ・グリーンは言う。「すでに悲惨な状況だが、逃げる生活が長引いているため、緊張が一層高まっている。短期的な安全だけでなく、長期的視野に立った緊急措置が必要だろう」
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