最新記事

リオ五輪

ブラジルの過激派がISISに忠誠誓う、南米で初めて

2016年7月20日(水)16時00分
ルーシー・クラーク・ビリングズ

Fabrizio Bensch-REUTERS

<リオ五輪を3週間後に控え、ブラジルの過激派組織がISISの傘下に。テロ対策は間に合うか> (写真は、リオデジャネイロのオリンピック施設をパトロールするブラジル陸軍兵士) 

 ブラジルの過激派組織がISIS(自称「イスラム国」、別名ISIL)への忠誠を宣言したと、地元メディアが伝えた。リオ・デジャネイロ五輪の開幕まで、3週間を切っている。

 南米の組織がISIS支持を表明するのは初めて。ロシアで開発された暗号化通信アプリ「テレグラム」上で「アンサール・ヒラーファ・ブラジル(Ansar al-Khilafah #Brazil)」という広報チャンネルを立ち上げ、ISISの指導者アブ・バクル・アル・ バグダディへの忠誠を表明した。

【参考記事】ロシア製メッセンジャーアプリ「テレグラム」、ISISの宣伝手段に

 イスラムテロ組織を監視する米団体「SITEインテリジェンスグループ(SITE Intelligence Group)によると、次のようなメッセージも書きこまれていた。「フランス警察でさえテロを阻止できないなら、ブラジルの警察にどんな訓練を施したところで役に立つはずがない」

 ブラジルと国際社会の間で、テロ対策の連携が進んでいるのを踏まえたものだ。

ニーステロ受け警戒強化

「オリンピックを間近に控え、忠誠を誓う投稿があった」と、SITEを統括するリタ・カズはツイートした。「ISISの西欧系の外国語サイトは、ブラジルのポルトガル語サイトも含めて、質も通信速度も劇的に向上している」

【参考記事】暗雲漂うリオ五輪を襲った7つの嫌なニュース

 フランス南部ニースで14日に起きたトラック突入テロを受けて、ブラジルの主要空港では安全対策が強化された。ニースでは、革命記念日を祝う人混みに大型トラックが突っ込み、84人が死亡した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏とゼレンスキー氏が「非常に生産的な」協議

ワールド

ローマ教皇の葬儀、20万人が最後の別れ トランプ氏

ビジネス

豊田織機が非上場化を検討、トヨタやグループ企業が出

ビジネス

日産、武漢工場の生産25年度中にも終了 中国事業の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口の中」を公開した女性、命を救ったものとは?
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 8
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中