最新記事

歴史

日本軍と共謀した毛沢東を、中国人はどう受け止めたか?

2016年6月23日(木)16時35分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

Damir Sagolj-REUTERS

 6月17日、拙著『毛沢東 日本軍と共謀した男』の中文版がニューヨークで出版され、VOA中文テレビの取材を受けた。視聴者のコメントと報道ページに載ったアンケートから、華人華僑の心情と日本人の反応との違いを考察する。

中文版の出版

 昨年11月13日、新潮新書から『毛沢東 日本軍と共謀した男』を出版したところ、昨年末、イギリスの公共放送BBC(British Broadcasting Corporation)中文網の取材を受けて世界に発信された。

 すると1時間もせずに世界各地の中文出版社から翻訳出版のオファーが殺到した。最も早くオファーを受けたのが、ニューヨークにあるMirror Media Group(明鏡出版)という出版社だったので、そこに決めて中国語の翻訳を開始した。

 新潮新書では文字数の制限と、流通の関係上、時間的制限もあったので省略した部分が多く、中文版の時に大量に書き込み、新しく発見した内部資料も盛り込んだ。発見したのは、外務省外交史料館に眠っていた1940年前後の上海における「高密」(トップ・シークレット)という印鑑が捺してある極秘資料だ。

 この中文版が6月17日に出版され、世界の華人華僑の知るところとなった。実際に本屋に並ぶのは今日あたりらしいが、6月20日にVOA(Voice of America)中文の取材を受けた。

VOAのテレビ生放送

 VOAの本部はアメリカ合衆国政府が運営する国営放送で、本部はワシントンにある。ワシントンと東京との時差は約11時間(日にちから数えれば13時間)なので、昼夜逆転の生放送には厳しいものがある。

 それでも華人華僑の人たちの反応を知りたいので取材に応じ、真夜中に生放送で回答した。そのライブがこれである。

 真夜中のスカイプは厳しいので、少し古い写真を使いまわしして貼り付けてもらうことになった(ここ何年も写真を撮りに行くゆとりさえなく、時間だけが容赦なく過ぎていって、現実との「ギャップ」が出ていることは、お許し願いたい)。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰

ワールド

トランプ氏、安保副補佐官に元北朝鮮担当ウォン氏を起

ワールド

トランプ氏、ウクライナ戦争終結へ特使検討、グレネル

ビジネス

米財務長官にベッセント氏、不透明感払拭で国債回復に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 9
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 10
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中