フロリダ銃乱射事件から1週間、生存者が惨劇の一部始終を語った
トイレでの恐怖
最初の警察官、そして応援に駆け付けた他の警察官と銃撃を交わした後、マティーン容疑者はクラブ内の壁に囲まれたバックヤードに退却した。そこには何十人もの常連客が避難していた。
多くの人々が奥の壁に沿った2箇所のトイレに逃げ込んでいた。カーターさんと2人の友人は、他の客たちと一緒の個室ですし詰め状態になっていた。32歳のエンジェル・サンティアゴさんは、別のトイレで、やはり人でいっぱいの個室の中にいた。
「私たちはただ、銃声が何度も何度も何度も響くのを聞いているだけだった」と彼は言う。「そして銃声がどんどん大きくなり、近づいてきた。たぶん火薬だろうが、匂いも感じるようになってきた」
マティーン容疑者はサンティアゴさんが逃げ込んでいたトイレに突入し、銃を乱射。サンティアゴさんは左足と右膝に2発銃弾を受けた。「多くの人が撃たれた。一面、血の海だった」と彼は言う。
それからマティーン容疑者は、カーターさんと彼女の友人たちが隠れていた別のトイレに向かった。さらに銃声が響き、悲鳴が上がった。銃弾は個室の壁を貫通し、カーターさんも友達も、みな負傷した。
どの生存者も、銃撃がどれくらい続いたのかはっきりとは覚えていないようだった。だがある時点でマティーン容疑者は銃撃をやめ、バックヤードでうずくまった。
警察はこの機を捉え、クラブのメインフロアにいた負傷者の一部を救出した。警察官がコロンさんをクラブから引きずり出し、通りの向かい側にある「ウェンディーズ」に連れて行った。「周囲を見ると、そこらじゅうに遺体があった。私たちはみな苦しんでいた」と彼は言う。
警察は、マティーン容疑者をクラブの奥に追い詰めないことにした。彼と一緒にそこに留まっている人々の安全を考えたからである。
「彼らの生命を危険に晒したくはなかった。だから我々はSWATの隊員が到着するまで現場を封鎖することにした」。オレンジ郡保安官のジェリー・デミングス氏はあるインタビューでこのように話している。