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新冷戦

ロシアがドイツに仕掛けるハイブリッド戦争

2016年6月2日(木)19時00分
ルース・フォーサイス(米シンクタンク大西洋協議会)

 手本になるのはスウェーデンかもしれない。スウェーデンはこの2年間、ロシアのスパイはインテリジェンス上の最大の脅威だと名指ししてきた。ドイツはスウェーデンに倣い、ロシアの動きはドイツの安全に対する脅威だと認識しなければならない。

 ロシアの悪意あるキャンペーンに対し、ドイツ首脳が目に見えるかたちで直接的に反応する必要がある。例えばメルケル首相がドイツ国民に向けて、ドイツの安全と安定を損なおうとするロシアによる活動の脅威を説明するべきだ。

 さらに、ドイツにおけるロシアの情報操作活動をすみやかに特定し、これを無力化しなければならない。

 よい知らせとして、ドイツ当局はこの脅威への対応を強めている。ロシアによる偽情報を阻止する部隊がすでに作られており、現在、ロシアのプロパガンダキャンペーンへの対策強化が計画されている。

 もうひとつ。ドイツが戦略的通信(StratCom)の部隊を作っていることだ。これによりドイツ政府は、こうした作戦を迅速に見つけ出して追跡し、適切に対処することができるようになるだろう。

 対応策を採用することで、ロシアの偽情報と闘うドイツの力も強まる。

 NATO戦略的通信研究センター(StratCom COE)を指揮するサーツは最近、こう語った。「偽情報がいちばん威力を発揮するのは、敵が注意を向けていないときだ。まだ気がついていない国がたくさんある」

 ロシアの脅威に対抗するために、ドイツが脅威を認め、声を上げ、行動を起こす時がきた。

This article first appeared on the Atlantic Council site.
Ruth Forsyth is a member the Atlantic Council's Transatlantic Security Initiative.

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