最新記事

円高

NY市場は円が全面高、英のEU離脱懸念強まる

2016年6月14日(火)10時14分

 6月13日、終盤のニューヨーク外為市場では、円が全面高となった。写真はポンド、ユーロ、円などの紙幣、1月撮影(2016年 ロイター/Jason Lee)

終盤のニューヨーク外為市場では、円が全面高となった。23日の英国民投票で欧州連合(EU)離脱が決まるのではないかとの懸念が強まり、安全通貨とされる円が買われた。

アジアから欧州時間にかけて円はユーロとポンドに対して約3年ぶりの高値を付け、対ドルでも6週間ぶり高値の105.75円まで買われる場面があった。

13日に発表された最新の2つの英世論調査では、EU離脱支持派が残留支持派に対するリードを広げたことが分かった。このため英国のEU離脱(ブレグジット)をめぐる懸念がポンドだけでなくユーロなどにも深刻な影響を及ぼし始めている。

BKアセットマネジメント(ニューヨーク)のFX戦略マネジングディレクター、ボリス・シュロスバーグ氏は「ブレグジットは現在の世界経済秩序に対する初めての公然たる挑戦となり、EUにより幅広く危険な亀裂を生じさせかねない」と指摘した。

終盤のユーロ/円は0.4%安の119.88円、ポンド/円は0.9%安の151.04円、ドル/円は0.7%安の106.21円だった。ポンド/ドルは0.2%安の1.4222ドル。

ドルは、14─15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に幅広い通貨に対して軟化した。

イートン・バンス・マネジメントのグローバル債券共同ディレクター、エリック・スタイン氏は、米連邦準備理事会(FRB)は今回のFOMCで利上げしないとの見方を示した。ただ、米労働市場が改善するとともに英国がEUにとどまることになれば、7月に利上げされる公算が大きいと予想している。

ドル/円 NY終値 106.23/106.26

始値 105.99

高値 106.55

安値 105.97

ユーロ/ドル NY終値 1.1290/1.1294

始値 1.1270

高値 1.1302

安値 1.1237



[ニューヨーク 13日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中